正当化、開き直り、屁理屈、言い訳、あとづけ
言い訳
私も以前から言い訳をしてはいけないという風潮に違和感を抱いていた。これはおそらく「言い訳」という言葉が曖昧で、多くの意味を包含しているからだと思う。
議論するならば、定義をしっかりと共有しなければならない。
あまり厳密にはしないが今回の場合、言い訳＝嘘であったり、不測の事態が起こる前か後の状況で意味が違ったり、保身のためだけにあとづけされた屁理屈だったりと多様に変化する。
まず嘘は問題外だし、屁理屈で話題を変えるのも一喝されて当然だ。不測の事態が起こる前ならばいくらでも言い訳（＝提言）して議論すれば良いし、不測の事態が起こってしまったが正当な理由を持っていれば言い訳して原因究明と責任追求、今後の対策を考えればいい。
そんな言い訳に対する判断にはコストがかかるが、正当な言い訳には聞く耳を持ち、議論に発展させれば良いと思う。
ドワンゴとAll Aboutのやりあい
言い訳と関連して、ドワンゴの入社試験の受験料制度実施と、それに便乗し悪ノリしたAll Aboutのやりあいを観てげんなりした。うわぁってなった。萎えた。
ことの詳細は
AllAboutがドワンゴの新卒採用課金制度に対抗して新卒採用奨励金制度を発表したところドワンゴが激怒する - 楽しくないブログ
をみてください。もうドワンゴもAll Aboutも関連記事は削除してる。
ドワンゴの受験料2,525円への賛否はおいといて、それに対してAll Aboutは「新卒入社試験」として
株式会社ドワンゴの新卒入社試験を受験し受験料を支払った”本気の学生”に対して、2,500円を奨励金としてお支払いいたします。
である。
ドワンゴは当然怒って、受験料制度の意図が
新卒採用を巡る現在の不幸な状況になにか一石を投じられないかという思い
があったと主張した。
これに対してAll Aboutは
弊社としては、受験料を支払って本気でドワンゴ様を応募され、その上でこのような奨励金制度を利用される学生の方々は、従来弊社に応募する方とは異なる層であろうと考えました。そしてそのような学生の方々を支援し、是非ともお会いしてみたいと考えました。
これは酷い。しかも臭い。ドワンゴを受けた学生を支援して是非会いたいという話らしい。なぜAll Aboutがドワンゴの受験生を支援するのかの意図が全く説明されていない。果たしてAll Aboutは「異なる層」に対してまともな新卒採用試験をするつもりだったのだろうか。「異なる層」と会ってどうするのか。それこそ、その就活生たちを茶化すつもりだったのではないかと勘ぐってしまう。
更に
ドワンゴ様のされた新卒採用における問題提起に対して、「茶化し、無効化しようとする」といった誤解を与えてしまったことは本意ではございません。
としているが、支援の意図を説明していないので、どうみても茶化して無効化しています。本当にありがとうございました。これが保身に走ったあとづけの正当化された屁理屈であり、クソな言い訳なのは明白である。
こうしてAll Aboutはドワンゴに謝罪して関連ページを消して幕を閉じた。
もしも仮に、ここでAll Aboutがドワンゴの受験料制度に対してまともな提言をしていれば、影響力の大きい二社による「新卒採用を巡る現在の不幸な状況」の打開を目的とした有意義な議論へ発展したのではないかと夢想する。
